運命と言うものは信じられないほど残酷で理不尽でそれでいて絶対逆らうことが出来ない。
どうしてこんなことになるんだろう、私は何も悪いことはしていないのに…。
なぜこんなときに限ってこんなことになるんだ。
どうしてあの人が死ななければならなかったの…
もう…おしまいだ…
人は自分の力ではどうしようもない状態になったとき、大抵の場合は運命に抵抗することを諦め、絶望の底に自ら飛び降りる。
それは仕方のないことだ。
だって自分には何かを変える力はないし、仮にあったとしてもこの運命は変えられない。
あまりに強大で圧倒的な力の差だ。もし運命に立ち向かえる人がいるとしたら、その人はきっと強いんだろう。
そうに決まってる。
だが現実に運命と向き合い、正面きって戦おうとするものがいるのは事実だ。
しかしそれは屈強な戦士や、悟りを開いた魔法使いだけでは決してなかった。
幼くして両親を失った少女、孤独に震える少年、人と獣中間に生まれついた者、生まれつき服従を誓わせられた機械人形、そして…
 強いものだけが運命と向き合うのでは無い。願望、復讐、変化、自由、憎悪……それぞれの思いは異なる。しかしそれぞれの行く道は同じ直線状に あるようだった。それぞれの思いは交錯しひとつになる。果たして彼らの行く道の先には何が待っているのだろうか。その結末を知るものはいない。
続く
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