遠く遠く。
視界の先すらも霞む最果ての地。
 わたしは、きっと。何処かへ歩み行く事を望んでいたのだろう。
白銀に染まるこの小世界で、わたしは何処に行く事を望んでいたのだろう。

 おおかみが叫ぶ。
 わたしも叫ぶ。

 声は何処にも通らない。

 そうだろう。山彦さえも聞こえる筈の無い吹雪く山。
声は雪の群れに吸い込まれるように掻き消えていくだけ。
絶望だけが生きることを許された世界では、声すらも死んでいくしかない。
 わたしはそんな山で、ただずっとずっと空を見上げ嗚咽のように叫ぶだけだった。
助けてください、お願いします。誰かわたしを救って下さい。
悲鳴とも、絶叫とも、どちらとでも取れる言葉は、やはり、不気味な風切り音に無惨にも千切られた。
 それっきり、わたしは疲れたように脱力する。
 そうだろう。あれだけ叫べば如何に体力に自信が有っても辛い。
いや、あれだけと云うのはどれ位だっただろう。時間の感覚さえも途切れていた。
 そもそもわたしに時間という概念が有ったのかも、おかしい。
わたしはいつどこで生まれて、どうやってここに居るのか。
ああ、それを誰に聞けばいいのでしょう。

(姉さん)

 懐かしい声―というのは時間がわからないわたしにはおかしな話だが―がした。
 はっとして、やっと自分は話し掛けられる存在がいることをちゃんと自覚した。
その存在が如何に大きいもので、如何に悲しいものなのか、わたしは今の今まで忘れていた。
(わ、わたし……、どうしてこんなところにいるんだろう)
 困った声で質問をしたわたしに返ってくる言葉は、無かった。
ただ少しばかり沈黙で返答を曖昧に濁して、おおかみは
(こんな雪国だと、あたい達じゃなかったら死んでただろうねぇ)
などと、悠然と景色を眺めているように云った。
 その返答が漠然とわからないという意味なのだと勝手に受け取って、もう一度辺りを見る。
 吹雪が辺りを覆う。息が辛い。空気が薄い。山だろう。
 それだけわかれば、もう十分。寧ろ、それ以上の情報があっても仕様が無い。
なにせ、この吹雪では動くことすらままならないのだから。
(死ぬ前に美味い血で喉を潤したかったね)
(洒落になってないよ……)
 そんなジョークが飛び出ても、不思議と死ぬという予感は無かった。
死の直前には走馬灯というものを見るらしいが、生憎と数え年で八しかないわたしにはどちらにしろ無縁だろう。
 何時の間にか、泣く事も止めて、じっと身を縮めることだけに専念することにしたわたしは
どうやら今の今まで叫んでいたのだと、やっと気付いた。泣いていたという自己判断にも驚いた。
喉ががらがらで、とてもではないけれどもう何も喋れないほど何かを叫んでいた。泣いていたのだ。
 何故だったのかはよくわからない。兎に角叫ばなくちゃ、と漠然と意志だけがそこに有ったから。
(わたし達、なんで叫んでたんだろう)
 曖昧とした質問だけれど、聞いてみたかった。
(わからないね。あたいはふと気付いたら叫んでた姉さんがいたから、声をかけただけさ)
(おおかみも叫んでたの)
(うーん、ふと気が付いたら、だからねぇ……)
 それじゃあ気が付かなければ一生叫んでいたのだろうか。ぞっとする。
 少しだけその背筋が凍るような嫌な想像に身震いをすると、おおかみが気遣うようにからからと笑った。
そんなことは無いと意味も無い自信を持って、その想像を否定してくれる存在が嬉しい。


 それでも、こんな会話は幾らかしか続かなかった。
 待つしかないという意味も無い苦痛が、堪えてきた。
なのに、一向に寒さを感じることは無くて、ただ待つ辛さだけが霜焼のように心を痛ませる。
余程この寒さに鈍感なのか、それともそんな感覚がそもそも無くなってしまったのか。
奇妙な違和感という腫れによった痒みが心を侵食していく事だけが、心底の苦痛に感じる。
 わたしはこんなに弱い生き物だっただろうか。
嫌な人でも生きる為なら我慢出来た。それを強さと云うなら強さだろう。
でも、それもただ反抗する勇気が無かっただけなんじゃないだろうか。
あの人達が来なければ、わたしはただの人形として生きていかなければならなかったんじゃないだろうか。
 ……、あの人達がいてくれなかったら。
 あの人達。

 あれ。あの人達って誰?

 ぼんやりとだけ浮き沈みする記憶の粒子にはそれらしい粒が束になって
まるで石英の荒い結晶のようにそれを構築していくのに、結局荒いままそれは何ら無意味な映像になってしまう。
 わたしはあの人達を大切に思っていたのに……。
 とても大きな愕然としたショックを受けても、為す術もないまままた膝を抱える。
 磨かれない記憶の塊は濁ったまま。柘榴の実のような毒々しい赤い映像だけが鮮明。
 腕をもぎ取った。  ―……筈。
嗚呼、でもそこまで憎んだ相手もわたしは思い出せなかった。
 でも、それは瑣末なものだと理解しているらしくて別に思い出す必要も無いと、わたしは投げ捨てる。
 それよりも、なによりも、大切な事を忘れてしまった事をわたしはおおかみに打ち明ける。
(あたいも忘れちまった)
 拍子抜けするほど、簡単な返答だった。
(別に恩義を忘れたとかじゃないけどね。思い出せないなら仕方ない。
 今はそういう状況なんじゃない?姉さん)
(……うん、そうね)
 忘れてしまった事は心細い。でも、その人達に会えばまた思い出せるだろう。
 それは確信で、今は忘れているだけなんだという事も漠然とわかっていた。

 それにしても。予感や根拠の無い確信だけははっきりと知覚出来るのに
それ以外の事は何一つ不自由なこの世界は一体何なんだろう。
そういう思考までは出来ても、結局答えを見つけ出す要素が頭に無いから、わたしは諦めるしかなかった。
なんてへんてこな世界だろう。
 この世界にピッタリな表現を思いついた時に、やっと何処からかざくりざくりと雪を踏みしめる音が聞こえた。
 人の足跡がやっと聞けた事に安堵して、わたしは声を張り上げた。
でもそれはやっぱり、世界に気付いた時と同じように絶望に掻き消されていく。
 それでも声を張り上げていると、わたしの声に気付いてくれたように足跡は近づいてくれた。
 その足跡は隣で止まった。それとほぼ同時に、この絶望を白銀に塗りたくった世界が開けた。

「いやいや、どうも」

 驚いた。女の人の声である。やっと開けた視界を少しばかり右にパースすると
深々とマントのような、ローブのようなものを羽織った人が立っていた。
「こんな所に迷い込むなんて珍しい方ですね」
「あの、……ここは何処ですか?」
 一番気になった事を開口一番で尋ねる。
 彼女は別段気を悪くした風も無く、頭につけていたフードを後ろに降ろして笑った。
 赤い髪が妙に印象的で、月並みな云い方ならまるで花が咲いたような笑顔を浮かべる人だった。
わたしのプラチナブロンドの髪とは、また別の意味で目立つ髪色だろう。
「ここは、何処でもありませんよ」
 はっきりとした答え。にこやかな笑顔に嘘の兆しは見つけられなかった。
「……そうですか」
「ああ、ガッカリしないでくださいよ。珍しい客人でしたから、ちょっとばかり説明に困ってしまいまして」
「説明、ですか?」
「はい。でも、堅苦しいですから隣に置いておきましょう」
 彼女はとりつく島もない程、あっさりとこの世界の事を黙してしまった。
「別に重要なことじゃありませんから」
(は、よっっぽど重要なことじゃないかい。姉さんが困ってるのにサっ!)
 心の内で悪態をついたおおかみに、ちょっとだけ同意を示そうとした時に、またしても女の人が笑った。
 今度はいたずらが歓迎されなかった子供のようである。
「そうですね、いやあすいません。でもまあちょっとお話しする程度ですから。ね?」
 わたしは飛び上がりそうなほどびっくりして、口を噤む。
 おおかみにも同じような体が有れば、きっと同じような動作をしたに違いない。
「あ、あの。聞こえるんですか?」
「ここに来る方は大抵曰く付きですからね。この程度は普通ですよ、普通」
 あっさりと有り得ない出来事に、普通というラベルを貼り付けてしまうと女の人はわたしを面白そうに眺め始めた。
 少し真面目な顔つきになったり、嬉しそうな顔になったり、小さな表情の変化がころころと。
 随分と居た堪れなくなって、わたしは口を開いた。
「何をしているんですか?」
「え?あ、あはは。私と似てるから、興味津々で見ていたんですよ。
 うーん、でも結構違うみたいですね、残念です」
「似ている……んですか?」
 何処が、と聞く前にふと女性の足元にうっすらと透けて見える尻尾を見つけた。
「え、あ、あの、尻尾……」
「あ、あらら、尻尾、見えてますか?隠してたつもりなんですけどねえ……」
 そればかりは本当に予想外だったらしく、苦笑いで頬を掻いている。
 この女の人も、わたしとおおかみのようなものなのだろうか。
「あの……わたしはユアって云います、あなたは?」
「私はシュナイダーと呼んで下さい。ファミリーネームですけど」
 自分の名前はすんなりと吐き出せた。
 あれだけ他の記憶にはフィルターが掛けられていたのに、自分のことはすんなりと取り戻せるのはちょっと残酷だ。
 女の人の名前はといえば、なんとも無骨な響きのある名前だ。失礼とは思っても、印象は確かにそうである。
ファミリーネーム……、ということだから自身の名前では無いことはわかるけど。
(あたしはおおかみでいいよ)
「ふふ、簡素な名前ほど覚え易くていいものですよ」
 名前というよりも、種族という感じだけれど。
 それで、初対面としての順番が明らかに間違った自己紹介は終わった。

「そうですか。何も思い出せませんか」
「ぼんやりとなら、結構思い出せるんですけど」
「仕方ありません。ここはそういうところですから」
(シュナイダーさんも変な人だね。そうやってすぐ誤魔化して)
「性分ですから。周りの人達はこういう事云ってるとすぐに怒って仕方が無いんですよ。
 呆れちゃいますね。我慢強さがなくて」
 わたしも出来れば誤魔化さない回答が欲しいと思うのだけれど、流石に図々しいと思って止めておく。
 今のわたしは話し相手の到来だけで満足だった。
 何よりもこの人も何処かわたしとおおかみのようなものであると思うと、どうしたって嬉しくなってしまう。
この関係が暴かれてしまうのを恐れていた事だってあるわたしにとって、それは凄い喜びだ。
「シュナイダーさんは、一体どういう人なんですか?」
 好奇心に駆られた質問にも、シュナイダーさんは笑って答えてくれた。
「人外ですかねえ。最近は結構理解者も増えてのんびりとやってるんですけど」
 理解者、というのが少しだけ寂しい。
 わたしにはそういう人がいなかったし、やっと出来たあの人達もぼんやりと掻き消えている。
「悲しい顔をすると美人が台無しですよ、ユアさん。
 覚えていないだけならそう悲観しないで、世界を信じてくださいね」
「……わたしに、理解者は出来ると思いますか?」
「出来ますとも。私よりずっと貴女は正常なんですから」
 笑顔ではない、ちょっとだけ悲しみを帯びた表情でシュナイダーさんがそう云う。
それはとても嬉しい一言だった。でも、その表情はどこか辛そう。
(あのさ……。シュナイダーさんもあたい達みたいなんだよね?
 それでどうしてそんな笑ってられるんだい?)
「簡単じゃあないですか。
 私はそれなりに化物として歩む人生を楽しんでますから。
 楽しみや幸せは待つものじゃなくて、手に入れるものなんです」
「手に入れるもの……」
「ツキ次第でもありますけどね。
 ツキが来ないからって諦めてたら手に入りませんよ。
 まあ私は半分諦めちゃってた時がありましたけどね」
からからと鈴の音のようにシュナイダーさんがまた笑った。
(姉さんもあたいも生きる為だけに精一杯だったから、そんなこと出来ないよ)
「おおかみの云う通りです。わたし達はやっぱり恐い……。
 人にはやっぱり色んな人がいますから」
 割り切れない。この人はもう自分を人外だと割り切ってしまっている。
それがちょっと恐いと思う。割り切るというのは、もしかしたら人間でいることを諦めてしまったみたいで。
「まま、私の極論ですからね。それはそうですよ。
 ユアさんもおおかみさんも、私とは違う、目指すべき幸せがありますからね」
「はい。ぼんやりとしたその中に、その幸せへの道がありましたから」
 わたしはにっこりと微笑む。
「ううーん、これはもう未来は人目を引く美人ですねえ。
 これは……牡丹さん以上の逸材かもしれません……、元が結構スタイル良いですし……」
 牡丹というのは名前なのだろう。でもその辺りからはボソボソとしていて聞き取れなかった。
 それにしたって、わたしは初めの美人になるという言葉に赤面するしかなかった。
(よかったねえ姉さん。結構この人眼力ありそうだから将来有望ってことじゃないか。
 うーん、あたいも鼻が高いねっ)
「お、おおかみっ。お願いだから……そういうのは」
 恥かしさで声にならないわたしの悲鳴を受け取ったのか受け取ってないのか
おおかみは、はいはいとお小言を聞き流すようににやにやとしているだろう笑いをあげた。
わたしの顔でにやけるおおかみの姿が頭に浮かんで、ぶんぶんと掻き消す。
「ね。どうです。貴女ならきっと楽しくやっていけますよ。
 おおかみさんも気さくでなかなか私とは気が合いそうですけどね」
(そうだね。あたいもシュナイダーさんみたいなのとは、堂々と嫌味を云えそうで合いそうだよ)
「んんー、お買い得物件だったんですけどね。売り切れちゃってますからね、残念です」
 
 ふとシュナイダーさんの顔つきが変わった。
 ちょっとだけ、真面目な、そんな顔つき。
「ユアさんがここに紛れ込んだのは、やっと幸せを見つけてちょっと気が緩んだからですよ」
 意味がわからない。記憶がぼんやりとしたわたしには幸せの定義が見当たらないから。
でも、その言葉はとても胸に重たく訳もわからない内に、泣き出してしまった。
「貴女みたいな私と似通った人が時たまここを通るんです。
 本当に一握りですから、全然会えませんけどね。
 ですから久々の訪問者がまさかこの雪山に落ちてくるとは思ってもいなくて……」
(どういうことだい?)
泣きじゃくるわたしの代わりに、おおかみが質問を代弁する。
「この雪山は悲しい記憶の堆積した狭間です。
 ここに落ちてくる人は稀でしてね。その人の心に依ります。
 例えば、絶望の淵に落ちたとか。恐がるほどの心配事があるだとか」
(……この、世界は)
 わたしもおおかみも云わずとも、彼女と会った時から薄々感づいていた。
 この世界は有り得ない幻想。
「でも貴女は違いました。ただ私のイメージの中で一番似通っていた場所に落ちてきただけみたいですね」
 シュナイダーさんが、なんとも云い難い表情をして雪を掬う。
 その雪はまるで万華鏡のように色々な映像を映し出す。
 そこに映るものは、まるで早送りのように目まぐるしく映し出されては変わっていく。
「ここは悲しみが積もる雪の世界。
 でも安心して下さいね。貴女は今きっと、幸せです。
 この積もり積もった雪を溶かすほど暖かい場所に、きっと居ますよ」
 泣きじゃくるわたしをなだめるように、向日葵のような暖かい笑みにシュナイダーさんが表情を崩した。
 それはきっと安心で。
「すれ違いはすれ違いでしかありません。
 貴女の物語と私の物語は触れ合うようでいて中々触れ合えない。
 もしも私の物語が一段落して、貴女が困ってる時があれば
 
 ……どうぞ、私をお探し下さい。力になりましょう」

 ぼんやりとしていたイメージが、はっきりとしたクリスタルとなって脳裏を掠めては過ぎていく。
 ついさっきまで思い出せなかった情景が泡でも潰すかのように容易く手中に舞い戻ってくる。

「シュナイダーさん」
「はい?」
 最後もまた、気持ちのいい笑顔で振り向いて小首を傾げる女性にわたしは云うべき言葉を。
「ありがとうございました」
「いえいえ。迷い込んだ客人の相手をしただけですよ。
 ちょっとばかり手に入った幸せに心配そうな顔をしている貴女の悩みをお聞きしただけ。
 治療費は私の愉快な仲間達の方にツケておきますから、安心して下さいね」
(あたい達が来たくて来た訳じゃないのに治療費、ねえ)
「はい。どんなことでもお仕事ですから」
 辺りは白雪の夢から真っ白な虚無へと変わっていく。
 漠然とした不安を抱えながらも、そんなことはお構いなしに急速に失われていく方向感覚。
落ちているのか浮き上がっているのか。それすらも理解出来ない中、またフードを被った女性から眼を離せなかった。
離さなかった。
 シュナイダーさんは、やっぱり笑っていた。

「私の名前はラクシュミ=F=シュナイダー。
 良かったら、また会うその日まで、覚えていて下さいね」


 その言葉を最後に、本当にわたしは全てを失って、またそれ以上を得ようともがき始めた。




 ―




「ユアさん?」
「あ、ひゃ、ひゃい?!」
 グミさんの突然の声に、わたしはびっくりして起きる。
「どうしたの、PT屋はあっちだよ」
「……違う、グミ。PT屋あっちだ」
「……い、いいの!レフェル!」
 はっきりとした感覚が全てある。
 そうだ、グミさん達だ。わたしは今やっと受け入れてくれる人を見つけて
こうして仲間として一歩を踏み出そうとカニングシティに。
(白昼夢……、だったのかな?)
(そうでもないんじゃないの、姉さん)
 未だに残る強烈なリアリティは、おおかみの云う通り、嘘ではないのだと物語っている。
 もしかしたらと思って後ろを振り返る。

 そこには、赤い髪をポニーテールにした女の人が去っていく後姿。
隣には黒光りした無骨な大剣を背負った蒼髪の男の人と
金髪を綺麗に靡かせた天真爛漫な少女が楽しげに歩いている姿があった。
 ふと、赤い髪の女性がこちらを振り返る。
 彼女は気付いたようににっこりと笑ってこちに御辞儀をしてまた顔を戻した。

 きっとあの人とは進む道も目指す場所も、物語も全て違って全て交わらないのだろう。
 でも、交わらない物語だからこそそれぞれの物語が終わった時には……。
 あの人と少しでも笑って、もう一度会えることを願いたい。

「ユアさんってば!さっきからどうしたの?
 もしかしたらシュウが重い?」
「そんなことはないですよ」
「そう。じゃあ行こう。PT屋はあっちかな」
「……グミ、そっちは繁華街だ」


 そんなやり取りを見ていて、わたしはくすりと小さな鈴の音のように笑った。

 わたしは今、ちいさな幸せを噛み締めています。

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