…俺は我侭だ。
我を貫き通す意志の強さも、
尊敬できる力や知恵も、
皆から好かれる優しさもない。
自分を捨てても新たな自分は拾えない。
相反の力も自分を捨てて自分という物は拾えない。
何故なら自分を捨てることの相反は、からっぽの自分なのだから。
捨てる前に、新たな自分に羽化するしかない。
それが駄目でも精一杯生きるほか無い。
からっぽになるか、生まれ変わるか、精一杯自分を受け止めるか。
自分という物を捨てたりも変えたりも持続させることもできない。
それは、弱いという事。
からっぽになることも。
じぶんをかえることも。
うけとめてゆくことも。
弱さが恐れを感じている限り一歩たりとも進めない。
人ごみにまじっても、何れその人々は消える。
偽りの温もりは、何れ霧のように消えてしまうのだ。
親友になれても真友になれない限り、それはすべて偽りなのだ。
月になっても太陽になっても星を演じても。
真友と思っているのは自分だけだった。
46人。自分の前から消えた霧の数。
所詮人は弱い。
団体をつくっても、肝心の中身となる団結できる真友が無くては崩れるだけ。
所詮、自分という物は変わらない。偽っても、さらけだしても。
奥底の自分は変わらないんだ…
「シュウー、何やってんのー?」
黄昏てるシュウに雰囲気ぶち壊しなグミの一言。
「ちょっと考え事を、な。」
この絆も何時か潰えるのではないか。
その不安を感じつつ今を楽しみもしたい。
「…変なの。」
「まて。どういう意味だ。」
人格をなんとなく否定された気がして即答する。
「だってシュウって熱血系じゃん。考え事なんてシュウにはほぼ無意味だと思うよ。」
某学校物RPGのような例えを出すグミ。最近の人にはわからないだろう。
「俺はアルバか。」
(シュウが何故わかるんだ。 by作者)
「うん。」
「……はぁ。」
いつものやり取りに、思わずため息がでる。
考えてることはやはり今は楽しまなくちゃいけない。
そんな野暮なこと。明るい表の裏の闇は表の光でかき消す。
シュウにとっての、自分の大切。

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